久しぶりに会ったローカルのOMから、音が出ないというPCS-5800Hを預かりました。
5800のハイパワーモデルを手にするのは初めてです。
自宅でチェックしてみると、
1)AFボリュームを上げても音が出ない。
2)豆球が切れている。
3)出力がハイパワーで25W程度と定格45Wに比べて弱い。
という故障状況です。
まずは、音を出すことですが、AFボリュームを上げ下げしていると、一瞬音が出るポイントがあります。これは、ほぼこのボリューム自体が壊れているに違いありません。
なんとこれは、以前スタンダード社のC6000を修理したときのものに良く似ています。ネットにも沢山の修理記事が上げられています。早速中をばらしてみますと、案の定・・・
付いていなきゃいけないものが外れています。以前同様、瞬間接着剤で。
瞬間接着剤は一番安易な方法だと思います。再び剥がれるのも早いか。
ある方はエポキシ系接着剤、ある方は糸で縫い付ける、とのことですが。
さて、ボリュームの組み立てです。
あれれれ、スイッチ部分との連動がうまくいきません。スイッチ部分も開けてみましょう。バネがあって、小さな小さなカムみたいなのがあって、電極板。写真撮らずにばらしてしまいまして、もうわからない。2時間ほどパズル解きのように悩みましたが、わからない。諦めましょう。
実は、ちょっと調子が悪い5800(10W機)がありまして、そいつのパーツを使ってあげようかと。久しぶりにこのリグのスイッチオン。あらま、これまた同じ症状です。
今度はいきなりバラバラにしないで、基板に付けたままピンを抜き、ボリュームの部分だけを基板からはずすことにしました。スイッチの部分は絶対に動かさず、きちんと撮影しておきます。
そして再び外れているパーツを接着。
最後に抜いたピンの代わりにクリップを通して、端を折り曲げて完成です。
分解したのだから、豆球をLEDに変える作業もやっておきましょう。
5800は、キーボードのところに直列で2個、液晶表示の左右にこれも直列で計2個。
47kΩの抵抗を一本入れて、LEDに交換します。豆球に付いていた青のカバーもLEDに取り付けました。
元の通り組み上げまして、電源オン。ザーというFMのノイズが流れてきます。おお、バッチリ! ところが、スケルチVOLを上げてもスケルチがかからない・・・
原因は、また同じです。AFボリュームだけではなく、スケルチボリュームも内部が外れているようです。まわした指の感触でわかります。また同じ作業か・・・
今回は、さきほどの別の5800からそのまま移すことにしました。幸いこちらは壊れていません。まぁ、時間の問題かも知れませんが。
次はパワーです。
ハイパワーで送信していると、どうも電源コード、特にヒューズの部分が熱くなってきます。電圧降下がおきているようです。この5800シリーズからハイパワー機が製造されたのですが、電源コードは10W機仕様のままだったのでしょう。カットし、良く使うエーモンのソケットに変更しました。コードが熱も持つことなく、40W以上の出力となりました。当時は問題にならなかったのかなぁ?
本来なら、無線機から出ている電源コードももう少し太いのに取り替えたいところです。
さあ、いよいよ完成ですよ。上下パネルもしっかり取り付け、電源オン。
ザーーーーと、心地よい?音。ん? スケルチ回しても、ザー。また?? もう取れた?
BUSYの表示が出ています。
スケルチをかけたまま、ザーを聞きながら上下パネルを外します。と、スケルチがかかりました。スピーカーが付いている方が問題なようです。
スケルチボリュームから出た配線は、FMディスクリICの右にあるソケットに接続されています。この辺を押すとBUSYになったりならなかったりします。半田クラックでしょうか。
面倒なんですが、基板を取り外すしかありません。
そう言えば、宝の持ち腐れ(というほど高くないが)のヒートガンを使ってみることにしました。細いノズルにして、熱気を基板に当てていきます。本当に溶けてるの?心配になりながらじっくり当てていきました。
ところが、さすが安くてもヒートガン、結構熱々になってしまい、逆にパーツ類が熱で壊れたのではないかと心配になる始末。3,4点のパーツが自重で抜けそうになっていたため、改めて半田付けし直しました。
祈りつつ、再々組み立て。
今度は大丈夫でした!!
ここまで手を加えると、すっかり愛着心がわいてきますね。TSSで通して実際に運用したいですね。
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