TM-D710 ビネガーシンドローム

アマチュア無線

加水分解って言ってたらしいのですが、近年は”ビネガーシンドローム”が一般的なようです。液晶パネルが黒くなったり、見えにくくなったりする症状です。
事務所に置いているTM-D710もそんな症状が出てしまい、頭の向きを変えて斜めから見たり、横から見たりしないと表示内容がわかりません。

電源を落とすと、中央部分が黒くなっているのがわかります。

このまま処分(売却)しちゃおうかと思ったのですが、こんなの誰も欲しくないよな、と修理にチャレンジすることにしました。

2本のビスを外すと、パカッと割れます。基板と液晶はこのコネクターで接続されています。両サイドの茶色部分を起こすと抜けます。基板にはボタン電池があります。ML614の表記。
基板を外すには、オモテのツマミを外さなくてはなりません。VOL-SQLツマミ各2個は簡単に抜けましたが、左のダイヤルは固かった! 思いっきり力を入れてやっと抜けました!

それぞれ奥の留め具も外します。

特別KENWOODファンというわけではありませんが、いいですねぇ、基板とCPUにロゴが。4カ所の金具が曲げて留めてある部分をラジオペンチでまっすぐにして基板を取り外します。

液晶部分が出てきました。慎重に扱います・・・ 今は・・・

うわぁ、やっぱりこの通り。カッターをガラス面との間に入れて、偏光フィルムをはぎ取ります。

なかなか剥げないものだから、ついつい力任せとなります。慎重さが欠けていく・・・
何とか取れましたが、ん?取り出した偏光フィルムは異常なしだった?

透かしてみても、別に黒くなっているところもなく・・・ あれれ?
ただ、ビネガー(酢)の臭いはします。酢の物きらいじゃないからいいけど。
では、液晶の方はどうか。手持ちの偏光板を当ててみます。

うわっ! 黒い! やっちまったなぁ!
もしかして、ウラ側が腐ってる???

偏光フィルムを剥いだばかりの状態で仮組みして、偏光板を当ててみました。う~ん、ちょっとぼやけてる。
まぁしかし、取りあえずは接着剤のカスを取らなきゃいかんでしょ、と思い直し、最も大変な作業へ突入です。

はじめは綿棒に無水エタノールを付けて、なでなでやってたのですが、無理。手持ちのシールはがしを付けて、プラスチックのヘラでゴシゴシ。
ん? ん? ん?
接着剤の残りを通り越して、もうひとつ下の層が削れてしまった感じです。接着剤のカスというより、何かガラスっぽいのが削れている感じです。あ~~~~ またやったか。
ケンウッドさんから、液晶部分のみパーツで取れるかな、そんな諦めの気持ちになってしまいました。
えーい、意地じゃ、とゴシゴシ、ゴシゴシ。お、何だかツルツルになってきた。
この部分の液晶がまだ大丈夫なのか、再び仮組してみます。

お! むしろ削りまくったところがスッキリしているではないですか! もしかして、ここにも偏光板? これが黒かったところかもしれません。となりゃ、削りまくります。

接着剤はちょっとくらい残っててもOK、みたいなのをどこかで見たのですが、せっかくですからねぇ、頑張ります。
何とかキレイにして、偏光板をカット、組み上げます。

バッチリではないですか!新品同様になりました。
こうなると、再び愛着が湧いてきます。処分せずに、もうしばらく使ってみましょう!

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